がん予防ワクチン(サーバリックス)

いろいろな予防接種の話

定期接種と任意接種

ワクチンは「定期予防接種ワクチン」と「任意予防接種ワクチン」に分かれます。
定期予防接種ワクチンとは、予防接種法で対象疾患および接種年齢が定められたワクチンであり、国が接種を勧奨し、被接種者は「受けるように努めなければならないとされているワクチンです。
接種を受ける側にとって、経済的負担が少ない(もしくは無料)ワクチンです。定期予防接種により健康被害が起きたときは予防接種法による救済が行われます。
任意予防接種ワクチンは、予防接種法で決められていない予防接種や、定期接種の年齢枠からはずれて接種する場合です。ワクチン接種を受けるかどうかは接種を受ける側の任意とされ、一部のワクチンを除き、原則として健康保険は適用されず、接種を受ける側が全額を負担します。

表4 日本で接種可能なワクチンの種類
生ワクチン 不活化カワクチン
定期接種
  • BCG
  • ポリオ
  • 麻疹風疹混合(MR)
  • 麻疹(はしか)
  • 風疹
  • ジフテリア百日咳破傷風混合ワクチン(DPT)
  • ジフテリア破傷風混合トキソイド(DT)
  • 日本脳炎
  • インフルエンザ(65歳以上、一部、60~64歳の対象者)
任意接種
  • 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
  • 水痘
  • 黄熱
  • B型肝炎
  • コレラ
  • インフルエンザ
  • 肺炎球菌
  • 破傷風トキソイド
  • ワイル病秋やみ
  • ジフテリアトキソイド
  • b型インフルエンザ菌(Hib)
  • A型肝炎
  • ヒトパピローマウイルス(HPV)
  • 狂犬病

国立感染症研究所感染症情報センターHPより改変
http://idsc.nih.go.jp/vaccine/atopics/atpcs003.html

ワクチンの種類

生ワクチン

組織培養で継代することにより病原性を減弱させた微生物(ウイルス、細菌など)を生きたまま接種するもので、通常1回の接種で自然感染と同様の強力な免疫が得られます。現在、用いられている生ワクチンにはポリオ、麻疹、風疹、おたふくかぜ、水痘、黄熱、BCGがあります。

不活化ワクチン

ウイルスや細菌などの病原体をホルマリンや加熱する等の方法(不活化)で、抗原性は残したまま、感染性と病原性を失わせたものです。接種する抗原には感染性がなく、体内で病原体が増殖しないため、免疫を得るためには数回の接種を必要とするものがほとんどです。

精製抗原ワクチン、コンポーネントワクチン

感染を防ぐのに必要な成分だけを残して、副反応の元となるような余分の成分をできるだけ除いたワクチンを精製抗原ワクチンといいます。現在用いられている精製抗原ワクチンには、インフルエンザHAワクチン、沈降精製百日咳ワクチンがあります。沈降精製百日咳ワクチンは菌体を含まないので無菌体または無細胞ワクチンとも呼ばれます。
さらに抗原となる部分のみを取り出してワクチンとしたものをコンポーネントワクチンと呼びますが、これには肺炎球菌多糖体ワクチン、インフルエンザB菌結合型ワクチン、髄膜炎菌多糖体ワクチンなどがあります。

サブユニットワクチン

病原体の中でも特に免疫反応を引き起こす部分だけを含むワクチンをサブユニットワクチンといいます。最近では遺伝子組換え技術によりこの抗原タンパク質のみを大腸菌や酵母などに大量に生合成させる方法が使われます。細菌そのものやウイルスのDNAを含まないために、ワクチン自体には感染性がありません。

トキソイド

細菌の産生する毒素を取り出し、ホルマリン処理などで毒性をなくし、抗毒素を産生する能力は残したもので、ジフテリア、破傷風の各トキソイドが広く用いられています。

定期の予防接種

一類疾病

(注)接種間隔の起算日は、接種した日の翌日である。

対象疾病 ワクチン 対象者 標準的な
接種期間*
回数と
間隔
接種量 方法 製品(会社)
ジフテリア
百日せき
破傷風
沈降精製百日せき
ジフテリア
破傷風混合ワクチン(DPT)
又は
沈降ジフテリア
破傷風混合トキソイド(DT)
1期
初回
生後3月から生後90月に至るまでの間にある者 生後3月に達した時から生後12月に達するまでの期間 20~56日
間隔で3回
各0.5mL 皮下 DPT“化血研”シリンジ(化血研-アステラス)
トリビック(阪大微研-田辺三菱)
沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン(テンカ生研、化血研-アステラス)
沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチン「S北研」、シリンジ(北里研-北里、第一三共)
沈降精製百日せきジフテリア破傷風混合ワクチンキット「タケダ」(武田)
1期
追加
生後3月から生後90月に至るまでの間にある者(1期初回接種(3回)終了後、6月以上の間隔をおく) 1期初回接種(3回)終了後12月に達した時から18月に達するまでの期間 1回 0.5mL
沈降ジフテリア
破傷風混合トキソイド(DT)
2期 11歳以上13歳未満の者 11歳に達した時から12歳に達するまでの期間 1回 0.1mL Dtビック(阪大微研-田辺三菱)
沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド“化血研”(化血研-アステラス)
沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド「タケダ」(武田)
沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド「ビケン」(阪大微研-田辺)
沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド「生研」(デンカ生研)
沈降ジフテリア破傷風混合トキソイド「北研」(北里研-北里、第一三共)
急性灰
白髄炎
(ポリオ)
経口
生ポリオワクチン
生後3月から生後90月に至るまでの間にある者 生後3月に達した時から生後18月に達するまでの期間 41日以上
間隔で2回
各0.05mL 経口 経口生ポリオワクチン(セービン)Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ型混合(日本ポリオ研)
麻しん
風しん
乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン(MR)
又は乾燥弱毒生麻しんワクチン(M)
又は乾燥弱毒生風しんワクチン(R)
1期 生後12月から生後24月に至るまでの間にある者 1回 0.5mL 皮下 乾燥弱毒生麻しんワクチン「タケダ」(武田)
はしか生ワクチン「北研」(北里研-北里、第一三共)
「ビケンCAM」(阪大微研-田辺三菱)
乾燥弱毒生風しんワクチン「タケダ」(武田)
乾燥弱毒生風しんワクチン「ビケン」(阪大微研-田辺三菱)
乾燥弱毒生風しんワクチン「北研」(北里研-北里、第一三共)
乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン「タケダ」(武田)
ミールビック(阪大微研-田辺三菱)
2期 5歳以上7歳未満の者であって、小学校就学の始期に達する日の前日までの間にある者 1回 0.5mL
3期 13歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間にある者 1回 0.5mL
4期 18歳となる日の属する年度の初日から当該年度の末日までの間にある者 1回 0.5mL
日本脳炎 日本脳炎ワクチン 1期
初回
生後6月から生後90月に至るまでの間にある者 3歳に達した時から4歳に達するまでの期間 6~28日
間隔で2回
(3歳以上)
各0.5mL
(3歳未満)
各0.25mL
皮下 ジェービックV(阪大微研-田辺三菱、武田)
日本脳炎ワクチン「S北研」(北里研-北里、第一三共)
日本脳炎ワクチン「ビケン」(阪大微研-田辺三菱)
日本脳炎ワクチン「生研」(デンカ生研)
日本脳炎ワクチンキット「タケダ」(武田)
1期
追加
生後6月から生後90月に至るまでの間にある者(1期初回終了後おおむね1年おく) 4歳に達した時から5歳に達するまでの期間 1回 (3歳以上)
各0.5mL
(3歳未満)
各0.25mL
2期 9歳以上13歳未満の者 9歳に達した時から10歳に達するまでの期間 1回 0.5mL
結核 BCGワクチン
  • 生後6月に至るまでの間にある者
  • 地理的条件、交通事情、災害の発生その他の特別な事情によりやむを得ないと認められる場合には、1歳に至るまでの間にある者
1回 所定のスポイトで滴下 経皮 乾燥BCGワクチン(経皮用)(日本BCG)
  • ※標準的な接種期間とは、定期(一類疾病)の予防接種実施要領(厚生労働省健康局長通知)により、市区町村に対する技術的助言として定められている。
二類疾病
対象疾病 ワクチン 対象者 回数と
間隔
接種量 方法 製品(会社)
インフルエンザ インフルエンザ
HAワクチン
  • 65歳以上の者
  • 60歳以上65歳未満の者であって、心臓、腎臓又は 呼吸器の機能に自己の身辺の日常生活行動が極度に制限される程度の障害を有する者及び ヒト免疫不全ウイルスにより免疫の機能に日常生活が ほとんど不可能な程度の障害を有する者
(毎年度)
1回
0.5mL 皮下 Flu-シリンジ「生研」(デンカ生研)
「ビケンHA」(阪大微研-田辺三菱)
インフルエンザHAワクチン“化血研”TF(化血研-アステラス)
インフルエンザHAワクチン「北研」(北里研-北里、第一三共)
インフルエンザHAワクチン「S北研」、シリンジ(北里研-北里、第一三共)
インフルエンザHAワクチン「生研」(デンカ生研-アステラス、武田)
フルービックHA、シリンジ(阪大微研-田辺三菱)

主な任意の予防接種

種類 対象年齢 回数と間隔 接種量 方法 製品(会社)
インフルエンザ 二類の対象者を除く全年齢 13歳未満では1~4週間(免疫効果を考慮すると4週間が望ましい)あけて2回 13歳以上は1回又は2回 1歳未満 0.1mL
1~6歳未満 0.2mL
6~13歳未満 0.3mL
13歳以上 0.5mL
皮下 インフルエンザHAワクチンと同じ
おたふくかぜ 生後12月以上(生後24~60月の間に接種することが望ましい) 1回 0.5mL 皮下 おたふくかぜ生ワクチン「北研」(北里研-北里、第一三共)
乾燥弱毒生おたふくかぜワクチン「タケダ」(武田)
水痘 生後12月以上 1回 0.5mL 皮下 乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」(阪大微研-田辺三菱)
B型肝炎 (1)HBs抗原陽性の母親から生まれたHBs抗原陰性の乳児注1) 通常生後2、3、5月に3回 各0.25mL 皮下 ビームゲン(化血研-アステラス)
ヘブタバックス-Ⅱ(萬有)
沈降B型肝炎ワクチン「明乳」(明治乳業)
(2)ハイリスク者
医療従事者、腎透析を受けている者、海外長期滞在者など
4週間間隔で2回、さらに20~24週を経過した後に1回の3回 各0.5mL
(10歳未満の小児は0.25mL)
皮下又は筋肉内
(10歳未満の
小児は皮下)
(3)汚染事故時(事故後のB型肝炎予防) 事故発生後7日以内
その後1ヵ月後及び3~6ヵ月後の3回
肺炎球菌 2歳以上の者 1回 0.5mL 筋肉内又は皮下 ニューモバックスNP(萬有)
A型肝炎 16歳以上 初回として2~4週間間隔で2回
初回接種後24週間経過後に追加1回
各0.5mL 筋肉内又は皮下 エイムゲン(化血研-アステラス)
インフルエンザ菌
B型(Hib)
生後2月以上5歳未満(標準として生後2月以上生後7月未満で接種開始) 初回免疫として4~8週間間隔で3回(医師が必要と認めた場合には3週間の間隔で接種できる)追加免疫として初回免疫終了後おおむね1年後に1回 各0.5mL 皮下 アクトヒフ(サノフィパスツール-第一三共)
各0.5mL 皮下
狂犬病 全年齢 曝露前は4週間間隔で2回、6~12ヵ月後に1回の3回
曝露後は1回目を0日として以降、3、7、14、30、90日目に6回
各1.0mL 皮下 乾燥組織培養不活化狂犬病ワクチン(化血研-アステラス)
各1.0mL 皮下
コレラ 全年齢 5~7日間間隔で2回 成人
第1回 0.5mL
第2回 1.0mL
皮下 コレラワクチン「北研」(北里研-北里、第一三共)
子宮頸がん 10歳以上の女性 0、1、6ヵ月後の3回 各0.5mL 筋肉内又は皮下 サーバリックス(GSK)
  • 注1)母親がHBs抗原陽性の場合は、健康保険適応。

予防接種ガイドライン等検討委員会:予防接種ガイドライン 2009年度版より改変
各製品添付文書より(2009年11月現在)

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